第2章 地層と岩石

目次

地球の歴史
地質年代表
日本列島周辺の海陸分布と日本海のはじまり
地層の堆積構造
地層
単層内部の構造
堆積環境
Volcanic rocks-火成岩の肉眼鑑定
分類の基本
火成岩の分類
花崗岩類の分類
堆積岩の分類
砕屑物(clastic)
火山砕屑岩
火成岩の組織を表す用語の解説
火成岩の顕微鏡下での組織を表す用語の解説

地球の歴史

地質年代表

地質年代表を示す。絶対年代が複数示されているものは、文献によりやや開きのあるものである。また、オルドビス紀付近の絶対年代は資料でも抜かれている場合が多い。

また、時代が古くなればなるほど時代を決める時間の尺度が長くなり、実際の情報量がそれだけ少ないことを示している。地質学的な時間尺度は非常に悠大な時間間隔である点に注意する必要がある。

表2.1 地質年代表

 地質年代時期 単位:Ma (106年)タイムスケール
地質時代新生代第四紀完新世0.011-現在
更新世2-0.011
第三紀鮮新世12±2-2
中新世25±2-12±2
漸新世37±2-25±2
始新世58±4-37±2
暁新世67±3-58±4
中生代白亜紀144-67±3 (135-65)
ジュラ紀213-144(190-136)
三畳紀248-213(225-190)
古生代二畳紀286-248(280-225)
石炭紀360-286 (345-280)
デボン紀408-360 (395-345)
シルル紀-408
オルドビス紀500-
カンブリア紀570-500
先カンブリア代原生代2500-570
始生代3800-2500

主なイベントをまとめると次のようになる。

  • 宇宙の誕生はおよそ13000Ma前

  • 地球の誕生はおよそ4600Ma前

  • 最初の生命4100Ma前(?)

  • 最古の堆積物3800Ma前

  • 最古の化石3500Ma前

  • 酸素増加2000Ma前

  • ストロマトライトの減少1000Ma前

  • エディアカラ動物群(後生動物)600Ma前

  • 最初の脊椎動物550Ma前

  • 恐竜の絶滅64Ma前

日本列島周辺の海陸分布と日本海のはじまり

日本列島付近の海陸分布図を日本海学研究叢書 日本海及びその周辺域の岩石(石渡明・辻森樹,富山県日本海政策課,2001)、「目で見る日本列島のおいたち」(湊正雄監修,築地書館)等の資料をもとに作成した。また、山陰地域の主な出来事を様々な文献等から年代毎に整理した([PDFファイル])。

図2.1 各時代の海陸分布図

各時代の海陸分布図

日本海の誕生という大きな出来事は17~19Ma前の新生代新第三紀中新世の頃である。この形成初期の頃の堆積物が日本海側を中心として各地でみつかっており、淡水性の貝化石等を各地で産する。山陰では、島根半島に分布する古浦層が有名であるが、日本海に浮かぶ隠岐諸島からも同時代のタニシ(bellamya)などの化石が見つかる(郡累層等)。また、同時代の九州北部からは大型の哺乳類化石なども見つかっている。

植物化石ではメタセコイアなど、日本では既に一度絶滅してしまったものがこの時代の地層から見つかっている。貝化石においても現在では外来種としてしかみられないカワヒバリガイも見つかっており、大陸と日本の関わりを考える上で興味深い。

図2.2 タニシの化石(Bellamya kosasana (Ueji) ,古浦層)

タニシの化石(Bellamya kosasana (Ueji) ,古浦層)

図2.3 カワヒバリガイの化石(隠岐の島町の郡累層)

カワヒバリガイの化石(隠岐の島町の郡累層)

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