写真撮影の仕方

ホームページで標本室を作る場合、小さな鉱物や化石を如何にして大きく、鮮明に写すかということがポイントになってきます。 ここでは、私の場合の撮影方法を紹介します。 しかし、これは必ずしもいい方法ではないかもしれません。

機材

画像を確認しながら撮影できるカメラ、あるいはすぐに確認できるカメラが最適だと思います。 したがってカメラは一眼レフカメラかデジタルカメラがいいでしょう。

しかし、接写機材が豊富な点で一眼レフカメラがおすすめです。

撮影台を用意します。 十分な明るさの光源が最低限必要ですが、どれも写真用は揃えれば高価です。 したがって、今回は普通の白色の電球のついたスタンドを使うことにします。 それで、一方から強い光を当てると、他方ははっきりとした影が出来るので、それを避けるには、反対からも光を当てるか、反射板(白い紙で十分)を置きます。

図5.7 撮影台

撮影台

デジカメの場合は、光源に応じたホワイトバランスを設定します。オートでもよい場合がありますが、いずれにしても撮影したものと実物を比較して確認しながら写せる点でデジカメを使うのがやりやすいです。

フィルムカメラの場合は、光源に応じた色補正フィルタをつかいます。

クローズアップレンズ

この方法は一番手軽で、安上がりと言える方法です。 つまり、カメラのレンズの前にもう一枚凸レンズを置いてやります。 そうすると接写が可能になります。

レンズ交換で出来ず、マクロ機能のないデジタルカメラはこの方法が使えます。 市販品もありますが、虫眼鏡でも周囲が歪むのを黙認すれば代用できます。倍率もレンズによってかなり変わります。

図5.8 クローズアップレンズによる接写

クローズアップレンズによる接写

マクロ機能つきレンズを使う

ズームレンズなどのマクロ機能で撮影します。 そう拡大した接写はできませんが、ある程度大きなサンプルは特殊なことをせずにこれで写します。

図5.9 ズームレンズのマクロ機能を使っての撮影

ズームレンズのマクロ機能を使っての撮影

接写リングによる撮影

一眼レフなら、接写リングとか、ベローズを使うのが一番いいと思います。 一番オーソドックスな方法と言えます。

図5.10 接写リングを使っての接写

接写リングを使っての接写

リバース撮影

その昔、新聞記者なども犯人の顔写真を接写するのに使った方法です。

かなり特殊ですが、等倍以上の撮影をする際、一眼レフのレンズを前後逆に取り付けると撮影が可能になります。 ピント合わせはカメラと被写体の距離で調節します。

図5.11 リバース撮影による接写

リバース撮影による接写

以上、簡易に接写する方法を述べてきましたが、やはり写真の色調に問題が残ります。 PhotoshopやGIMPなど色の補正の出来るソフトの上で、実物に近い色に補正した画像を使っています。 デジカメの場合は、デジカメ用の現像ソフトでも色調を修正することができます。

また、光源によっては影が濃すぎてうまく写らない場合があります。 外国製の図鑑などをみるとうまく無影撮影されています。 この無影撮影はちょっとの工夫でできるようです。 一般的な方法を以下に示します。

図5.12 無影撮影の方法

無影撮影の方法

リバースアダプタによる撮影例

撮影条件(機材)

  • カメラ:ペンタックス K10D

  • レンズ:28mm f2.8,50mm f1.7

  • Reverse アダプター

被写体は新第三紀の凝灰岩から取り出した石英の粒。高温石英(β-Qz)の形態を残したもの。大きさは大きなもので直径3mm、大半は1mm前後。

図5.13 リバースアダプタ

リバースアダプタ

図5.14 リバースアダプタ装着例

リバースアダプタ装着例
リバースアダプタ装着例

図5.15 対象の砂粒(50mm + リバースアダプタ)

対象の砂粒(50mm + リバースアダプタ)

図5.16 接写結果(28mm +リバースアダプタ)

接写結果(28mm +リバースアダプタ)
接写結果(28mm +リバースアダプタ)
接写結果(28mm +リバースアダプタ)

この方法ではレンズが逆向きで連動しないため、カメラのオート機能は使えません。絞り込み測光になります。とてもブレやすいので三脚等カメラの固定方法を工夫しなくてはなりません。照明の光量も明るめである必要があります。

最近のデジカメではかなり接写の効くものが多くあります。画素も多いのでトリミングするというのもよいかと思います。上の砂粒の写真は、トリミングなしの写真です。

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